10年間で2倍になった管理費の行方は?

2017年04月23日
樫原明宏

「タイムシェアリゾートで暮らすハワイ」2006-2007版を久しぶりに開いてみました。弊社のリゾートハワイ不動産、野田社長が共著書として10年前に出版した本です。

当時はリセール物件の取扱いを初めて3年頃だったと思います。日本の方向けにリセール物件を取り扱っているのも弊社くらいしかなく、 タイムシェアの呼称もシステムの認知度もほとんどなかった時代でした。タイムシェアシステムを理解する解説本としてバイブル的な存在でもありました。

本をパラパラと開いていて驚いたのがが、その当時のラグーンタワーの2ベッドルームの管理費(クラブ会費含む)は$857です。10年後の2017年は$1853まで値上がりしています。

2006年ラグーンタワー管理費



随分値上がりしたと思い。他のリゾートも売買記録から調べてみますと マリオットコオリナは2007年では約$1313で、これが2017年では約$2100です。当時、アメリカは好景気で、物価上昇率も大きく、毎年の管理費上昇率も大きかったのを覚えています。人気リゾート地であるハワイは、リゾート側も強気で、今後も上昇率は小さいくなるとしても上昇し続けると考えます。

物価、給料が常に上昇するアメリカでは管理費の値上がりも当たり前

OECD加盟国消費者物価指数のグラフ 管理費は人件費や使用する消費材、固定資産税などで決まります。物価や土地が常に上昇しているアメリカでは、急ピッチとはいえ 管理費の値上げも当たり前となっています。賃金も常に上昇しているのでアメリカ人にとっては管理費上昇の負担感はいくらか小さいのでしょう 。

しかし、この20年、物価も人件費もほとんど上昇しない日本から見ると、タイムシェアの管理費高騰の負担感が日本のオーナーにとって 著しい負担感があります。円安になればさらに負担感は上昇します。







日本人オーナー率が高いワイキキの物件の今後

日本市場のタイムシェアはひとつの過渡期にあるのも事実です。オーナー様の多くは子供、両親など2,3世帯で一緒に旅行するのに最適と考え、 2ベッドルームのタイムシェア物件を購入されます。子供が小さいときは一緒に旅行をしますが子供が大きくなり、また両親も高齢化し、 海外旅行に一緒に行かなくなるのが購入から5−10年後となります。そして現在では、タイムシェアを手放したい方が増えてくる時期に差し掛かっています。

ワイキキでタイムシェアが発売され、ちょうど現在が、この時期になりつつあります。ワイキキの物件の多くは日本人オーナー所有率(一部のリゾートでは2/3) が多く、買い手が少なく、管理費負担感も拍車を掛け、売り圧力が今後も増加するかと思います。

ディズニーやマウイ島のウェスティンのように北米の方の購入希望が多い物件は、弊社でも頻繁によく米国の方から購入希望が入りますが、 ワイキキは米国の方には人気がなく購入希望は少ないです。



日本人のハワイのタイムシェア利用の今後

日本人に不動の人気であるハワイは今後も衰えない旅行先となり続けると思います。タイムシェアの一番の醍醐味である 「ホテルの部屋の3倍の広さ」「家族で一緒に滞在」できる100平米クラスの広さの2ベッドルームのコンド物件は 、ワイキキにはあまり存在しません。 また一般のホテルやコンドの料金も値上がりしていますので、それと比べて タイムシェアの管理費がお得に思えるなら、管理費が上昇しても、利用維持され続けることでしょう。


維持費を安くしてワイキキのHGVCに泊まる方法

子供も両親もあまり一緒に行かなくなったとは言え、今後も夫婦や友人あるいはリタイヤ後にハワイに訪れたい。 そのような方には、いかに維持費を安くして、最大限タイムシェアを利用するかが、長くタイムシェアを利用するコツでもあります。

ワイキキは日本人オーナーが7割近く、また、売却希望が購入希望より多い時期になったため、リセール市場では価格が下がり続ける 物件が増えてきています。しかし、数多くのHGVCの中で、なかなか価格が下がらない物件が存在します。それはラスベガスのブルバード7000P,4800Pの物件です。

ラスベガスは昔のギャンブルのイメージはすでに払拭され、ファミリーで遊びに行く場所となっています。 また、常時ビジネスコンベンションが開催され、ビジネス客も多く滞在します。米国人にとって多目的な需要が常にある場所なのです。 買う人が多いので価格が下がらない物件なのです。


ブルバード7000Pは管理費が安く、価格が下がりにくい

ラスベガスのHGVCの物件の中でもLASブルバードが選ばれる理由は、何と言っても管理費の安さです。同じ2ベッドルーム、プラチナ週、7000ポイント、 であるラグーンタワーと比べて見ても、2017年の管理費(クラブ会費除)はラグーンタワー2BRで$1,649ですが、LASブルバード2BRでは半分の$822です。(1BRでは$595) 特に同じ管理費なのにポイントが多い7000Pと4800Pに米国では人気が集中しています。そのため購入時はGOLDに比べて高いですが、売却時も価格をある程度維持した状態でご売却ができております。

しかも、ラスベガスという需要が多い場所なので、常にアメリカ人の購入希望があり、HGVCのリセール希望リストで7000P、4800Pの在庫がほとんどありません。 同じブルバードでも5000Pや3400Pの物件は在庫は多いです。同じ管理費なら当然ポイント数が多い物件にクラブ予約目的(9ヶ月前からポイトを使って予約)で人気が集中します。

しかし、価格も安い物件(5000Pや3400P)は別の目的でも購入対象物件となります。それはオープン予約です。リタイヤされたり自営業、専業主婦の方など、 時間が自由になる方向けです。オフシーズンで一ヶ月前からの予約をポイントでなくお金を払って利用できます。ワイキキでオープン予約で空きを見つけるのは難しいですが 、ハワイ島やラスベガスでは十分利用が可能です。5000P物件はクラブ予約でも利用できるポイント数ですので、オープン予約と合わせて2通り利用方法も可能です。 オープン予約はとにかく、HGVCのメンバーにさえなれば利用できる特権ですので、できるだけ購入費用と維持費を抑えたい方には最適となります。

ラスベガスブルバードの物件の狙い目の物件としては利用別にまとめましたのでご参考下さい。

 ブルバード種類  シーズン 利用目的  価格 
 2BR 7000P  プラチナ クラブ予約   高い
1BR 4800P  プラチナ  クラブ予約  普通
2BR 5000P  ゴールド  クラブ予約
オープン予約
 安い
1BR 3400P  ゴールド  オープン予約  安い




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