エスクロー(Escrow)の語源はフランス語の巻物「escroue」という言葉が語源で、イギリスにて「権利譲渡証書」の意味で使われていました。これがアメリカで、「安全な中立している第三者に関係書類や代金などを預け、最終手続きが済むまで保管する」という意味になり、現在のエスクロー業者に引き継がれています。
米国ではエスクロー業者を通じての不動産売買が常識です。エスクローを利用すると、買い手、売り手双方にとってお金の安全管理の面だけでも次のようなメリットがございます。買い手は登記や名義が変わっていないのに、先に売り手にお金が渡ると不安ですが、エスクローで買い手が送金したお金が保全され、名義が変わった後で初めて売り手にお金が支払われるので安心できます。また、売り手にとっても、お金を受領していないのに先に名義を変えられると不安です。しかし、エスクローに買い手のお金が入金されたことが判明すると安心して名義を変更できます。日本でも工事施行時の代金の授受について「住宅エスクロー(第三者資金管理)制度」に対する関心が高まっており、 国土交通省も普及に向けて動き出してます。
「リセールは問題が多いので、安くても買わない方がいい。」・・・色んな人にタイムシェアの情報を聞いていると、このようなことを耳にする場合があります。新リゾートの新規物件の販売を説得するセールストークとしても、よく利用されます。問題が発生する原因は購入時に正式な手順を踏まえずに、信頼している人からなどの紹介でエスクローを介さず購入したりする場合に発生します。紹介者は長年の付き合いで信用はできても、リセール物件は初対面なので信用できません。
ハワイのタイムシェアは米国の不動産です。米国の不動産取引は前項でもご案内いたしましたとおり、正規の取引手順さえ遵守していれば、公平で、クリーンで、オープンな取引が約束されています。
エスクロー業者の役目を一言であらわすと「物件を調査して、問題があれば表面化し、是正措置を取り、売れる物件にする」ということです。またその調べ上げた内容に対して保険を掛け保障をします。弊社を通じてご購入いただく場合には、この保険(タイトル・インシュアランス)をお掛けいたします。
それでは、エスクロー業者は具体的に物件の何を調査するのでしょうか。リセール物件購入時にはどのような問題が内在する可能性があるのでしょうか。
オーナーの中には稀ですが、購入したカテゴリーを間違って覚えていて(錯誤)売り出していたケースもございます。また、非常に珍しいケースですが、開発業者もしくは役所のミスで間違ったカテゴリーで登記されており、売買時の現況調査で初めて発覚したケースもございます。
タイムシェアをローンで購入するオーナーも少なくありません。ローンを組んで購入した場合、残高があるかどうかの調査を行います。
管理料金をある一定の期間以上延滞すると、物件自体が管理組織に物納されます。管理料金を滞納していないかの調査を行います。
いつまで利用しているかの調査を行います。ポイントの前借りなど行っていないかを調査いたします。
タイムシェアも中には法人や信託が所有する場合もあります。それらの組織で正式に売却が許可されているのかどうか。 倒産、破産している場合は管財人と手続きの話を詰めていきます。
エスクロー期間の物件調査中、万一、物件に問題を見つけても弊社が責任を持って是正処置を前オーナーに処理させ、完全にクリアな状態でお譲りいたします。 それが買い手の購入条件に満たない場合は売買を取り消して、新しい物件をお探しするかデポジットをご返金申し上げます。一般の住宅などの場合は、入居後にしかわからないような、構造上の問題、シロアリ、地下に空洞などの問題が発生する可能性がございますが、タイムシェアではそのような物理的な問題は発生しないため、書類上の確認だけで調査が済みますので安全です。ほとんどの場合問題がございません。稀に存在した場合でも現在のオーナーに是正措置を取ってもらうなど処置できております。
エスクロー会社はリセール物件について問題がないか上記のような調査を行い、買い手、売り手が合意すれば物件の権利移転手続きに入ります。おもな業務内容は上記の調査も含み次の通りです。
タイムシェアは不動産の部分とリゾート交換やポイントなどを利用する利用権の部分から成り立ちます。不動産部分の権利移転の登記先はハワイ州ですが、それだけではなく、交換やポイント利用が新オーナー名義で利用できるように(管理組合が認めているリゾートのみ)、リゾートを所有・管理運営している組合の名義も変更を行います。また、この時に代行して初年度の管理費も代行して支払われ、売買手数料とは別途に新オーナーに請求されます。
ハワイ州のタイムシェアではハワイ州政府が管轄し、登記所にて不動産の変更登記を行います。物件のカテゴリー、便宜上の部屋番号や週番号も登記されている場合が多いので確認し登記変更いたします。
リセール物件に対して問題がないか現況調査を行い調査内容に保険を掛け保障します。通常はタイトル会社に委託します。
エクスロー口座を開けて、支払い金額の確認と保全。リセール物件の確認と移転手続き。
このようにタイムシェアのリセール物件は正式な手続きに従って購入すれば、同じ内容の物件を安価で購入することができます。そのためには法律にそった取引を遵守し、エスクロー業者を通じた取引がリセール物件の安全を保障します。慣れない米国での取引でも経験豊富な弊社が責任を持って物件をご提供申し上げます。