タイムシェアは不動産でもあります。その売買を理解していただくのに、まず、その基礎となる米国での不動産取引を例に知識を深めていきたいと思います。ここでは、通常の一軒家やコンドミニアム(日本ではマンション)を売買する際に、日本で売買する場合と比べて、米国の不動産取引が公平かつ、公開性、安全性が高いかをタイムシェアの売買と交えてご理解ください。
日本では不動産を売る時、専売契約を不動産会社と結ぶと、その不動産会社が顧客を直接見つけて売却することが可能です。売り手、買い手双方から手数料がもらえる、俗に言う「両手」という行為です。しかし、アメリカでは一般的ではなく違法になる州も存在します。
不動産会社は売り手と専売契約を結ぶため、どうしても売り手に立った有利な条件で、買い手と条件交渉しがちになるからです。米国では一般的に買い手と売り手の双方に異なる不動産会社付いて、互いの利益を代表し合う構造が求められます。タイムシェアではこのような複雑な形式を取らない場合が多いですが、公平性をいかに保つかという事例です。
日本で中古のマンションを買うためには、近くの不動産を回って、よく似た物件の相場を聞いたり、最近の売買事例を調べたりするのは大変です。物件そのものについて抵当権や評価額、税金滞納など素人個人が調べるのには限界があります。
しかし、アメリカではその物件の住所と部屋番号さえ判れば、実は日本にいながら、インターネットで物件の詳細図、所有者の名前、物件の価値(土地、建物、その他)、過去3年間の固定資産額と支払済みの有無、最近の取引価格なども見ることができます。一見、他人のプライバシーに関する内容ではと思うようなことまでインターネットで公開されています。タイムシェアではさすがにそこまでの情報はありませんが、一般の不動産は全ての情報が丸裸で一般公開されています。
日本の不動産売買と大きく異なる点は、一般の不動産では買い手は不動産会社への手数料を原則払う必要がなく、売り手が6%の手数料を払い、両不動産会社で分けるのが決まりとなっている点です。この商習慣はイギリスの貴族の相続法に起源があります。買い手が負担する手続き費用は物件金額の約1%程度で済みます。
タイムシェアの場合もその流れを汲み、買い手は売却時と比較して少ない買付手数料で済みます。売り手にとってタイムシェアの売却手数料が物件金額に対して割合が大きいのは、通常の一軒家の売買と同じ仕事量なのに売買代金が小さいためです。
タイムシェアの新規販売だけでなくリセール物件も普通の不動産会社でも,よく取り扱っています。一見普通の不動産会社の方が色んな情報を持っているように思われがちです。しかし、少し考えていただければお判りのとおり、一般の住居用の一軒家やコンドミニアムとレジャー用のタイムシェア物件は全く市場が異なっております。物件の知識としてはむしろ、ホテル、旅行業界の知識が必要となってきます。具体的には価格を対比する場合、顧客にとっても目安となるのは住居用のコンドミニアムではなく、デラックスホテルやリゾート用コンドミニアムです。
そして、もっとも重要視しなくてはならないのが、取引の経験数と取引リゾートの種類数です。タイムシェアリゾートは各リゾートによって利用のルールが異なり、利用制限のあるリゾートもございます。それだけでなく、転売する時にも各リゾートでルールが異なります。中には転売するだけで1年も期間がかかるタイムシェアもあります。リゾート開発業者が買い取り権を行使して買い取る価格も各カテゴリーごとに把握しているかも重要なポイントです。特に税金の処理方法などは後になって判明する問題ですので、処理方法を複雑にすると、余分な時間と、費用がかかります。これらは、取引の経験数をコンスタントに行っていないと常時変わっていく情報ですので取引経験数が重要です。また、取り扱いリゾート数もどれほど多くのタイムシェアリゾートを取引経験したのかの判断ができるため重要です。
また、新規売出を始める開発業者の多くはは不動産開発業者ではなく、大手ホテルチェーン系の名前で売出しています。通常の不動産会社はタイムシェアの新規販売を取り扱っていますが、単なる電話で説明会を予約する取次ぎ業務であって、実際のリゾートの販売しません。また、してはいけないことになっています。タイムシェアのリセールは当社のようなタイムシェア専門店にお任せ下さい。