タイトル会社の役目とは

2013年04月23日
野田省三


タイトル会社とエスクロー会社の違い

不動産業におけるタイトルというのは「不動産物件の権利」を意味します。エスクロー会社は「資金の保全」と「名義変更の手続」を行う政府に認可された会社です。タイトル会社はエスクロー会社から依頼を受けて、「不動産物件の権利関係を調査」することと、「タイトル保険:Title Insurance Policy」を発行する業務を行なっています。

タイトル会社は独立して存在する機関ですが、中にはエスクローサービスとタイトルサービスを一緒にやるところも多いです。会社名にエスクロー & タイトルという名称がつくところは、これら2つのサービスが一緒になっている会社です。

タイトルサーチとは

タイトル会社とは?

不動産物件は、過去から現在にいたるまでの所有関係が複雑になっておりますので、この所有関係をきちんと時系列的に整理すること、その間の 権利関係になにか齟齬(そご)がないかどうかを調べることが一番の仕事となります。この調査をすることを、タイトルサーチ(Title Search)と言います。

土地でいえば、隣との境界がどうなっているのか、境界線上で、何か特別の権利関係が発生していないか、また、金銭的には、ローン残高が残って いないかどうか、管理費の未納にもとづく留置権がついていないかどうか、不動産担保の登記がされていないかどうかなどを調べます。

基本的には、売主は物件を売却する際には、そうした権利関係をすべてクリアにして、何の担保もない、ローン条項もついていない、管理費などの滞納による留置権(Lien)がついていない、すわわちなにも瑕疵のない物件として、買主に引き渡す義務があります。したがいまして、所有権を売主から 買主に移転するまでの間に、なにも瑕疵のない物件として引き渡さなければならないわけです。このタイトルサーチは大変重要な業務となるわけです。

Preliminary Report(プレリミナリー・レポート)とは

タイトル会社がタイトルサーチを終了した段階で発行する報告書のことをPreliminary Reportといいます。タイトル保険証を発行する前の段階の中間報告書のことです。エスクロー会社は、タイトル会社からこのPreliminary Reportを入手して、物件に問題がないことを確認してから、新しい権利譲渡書をはじめ登記に必要な書類の作成にはいります。

Preliminary Reportで瑕疵が指摘されたばあいには、売主は誠意をもって、その瑕疵を修復して、問題のないタイトル(Clear Title)として買主に引き渡す義務が生じます。

Tittle Insurance Policy(瑕疵担保保険証)

タイトル会社が調べた段階でも見つからない瑕疵が発生する場合もあります。そのためには、買主はこの物件に瑕疵を担保してくれる保険をかけます。それがTitle Insurance Policyというものです。 買主にはこの保険に加入することを奨励しております。万が一物件に瑕疵があったばあいには、保険会社がその損害を保障してくれる保険です。弊社では原則、この保険には必ず入っていただいております。

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