リゾートの買取権利について

2012年07月14日

野田省三 売主様と買主様との間で売買契約が締結されましたら、売買手続きを進行する前に、大半の物件はリゾートに転売許可を取る必要がございます。通常は許可される場合が多いですが、価格が安すぎる場合など、リゾートが転売を許可せずに、同じ条件でリゾート自らが買取りするケースがございます。この様なリゾートが優先して買い取る権利のことを (Right of First Refusal:通称ROFR)と呼ばれております。


買取請求権(Right of First Refusal)とは

タイムシェア運営会社(リゾート)が販売したタイムシェア物件には、ほとんど買取権(Right of First Refusal)が付いております。買取権がついている場合には、購入者が何らかの理由で、購入した物件を売却したい場合には、その売却に関する情報(誰に、いくらで売却したいか)を、リゾートに提出して、買取権を放棄してもらう申請(Waiver)をしなければなりません。

・誰がどこに申請するのでしょうか。
このWaiverの申請は、通常は、売主と買主との間で締結された売買契約書(Purchase Contract)をエスクロー会社に送り、エスクローをオープンした時点でエスクローが 売主に代わって運営会社に行います。申請料は、登記費用(Closing Costs)の一部となります。

・売買契約後どれくらいでわかる?
Waiver(買取権放棄)の申請をしてそれが認可(または不認可)されるまでの期間は、リゾートによって異なりますが、通常は約4週間ほどのお時間を頂戴しております。HGVCにおいては取扱い件数が多くなってきたせいか、最近はつねに4週間以上かかるようになりました。Waiverの申請がみとめられますと、リゾートが発行する書類がエスクローにとどきます。この書類のことをエストッペル(Estoppel)といいます。


買い取られたら買主はどうなるのでしょうか

もしリゾートが 買取権(FROF)を発効した場合には、リゾートが、その物件を購入することになりますので、買主様は、残念ながらその物件を購入できなくなります。仲介業者であるわれわれ不動産会社は、買主様のために別の物件をさがすこととなります。もし別の物件が見つからない場合には、先に締結された売買契約は無効となりますので、お預かりしてました予約金(デポジット)を返金申し上げます。別物件がすぐに見つかった場合には、このデポジットを新しい売買契約のデポジットに充当させていただくことにいたします。


買い取られた場合 売主はどうなるのでしょうか?

リゾートに物件が買い取られた場合には、売主様はリゾートと売買契約を直接改めて締結することになります。エスクロー会社もリゾートが指定するエスクローに変更になります。

ただし、以前に不動産会社をとおして取り交わした売買契約の手数料に関する条項は有効ですので、売主は売却手数料を不動産会社に支払う義務があります。リゾートもその条項を遵守しますので、新しいエスクロー会社にその旨指示いたします。

気をつけなければならないことは、この時点で、売買契約があらたに締結されたことになりますので、そこからすべて新しく手続きが再スタートすることになりますので、少しお時間を頂戴する場合がございます。


リゾートのROFRの現状

HGVC:  売買価格が極端に安い場合、ROFRが発効される可能性が大きい。プラチナ、ゴールド、リゾート別など、個々の物件によって買取の可能性に高低があります。

マリオット: 現在はあまりROFRを発効していない。

ウェスティン:安い価格での売買契約についてはROFRを発効している。

DVC:安い価格での売買契約についてはROFRを発効している。

いずれのリゾートにも言えることですが、売買する時期、リゾートの担当者により、ROFRの価格はその都度、変化しておりますので一概に、物件に決まった買い取られない価格などの基準はございません。多くの場合は、その時のエスクローや同業者から得た、売買情報で推測価格を判断しております。


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