タイムシェアの権利譲渡証書の見方

2011年11月15日
野田省三
DEED（ディード）とは？

タイムシェアを購入すると、最終的に購入した物件は登記された後、権利譲渡証書が発行されます。一般的にDEED（ディード）と 呼ばれています。今回はその書類について、どの点に注意をして目を通したらよいかについてご案内申しあげます。

日本の不動産の場合、権利書原本を個人が所有している場合もあり、紛失すると大変です。しかし、アメリカでは各州が電磁的に保管しているため、発行された紙のDEEDは、全てコピーで、誰でも入手できる書類です。紛失した場合でも特に問題はご ざいません。名義変更後、半年から１年位かかってお手元に届きます。

DEEDは州や物件により異なり、２つの種類があります。Interval Conveyance Deed (分割譲渡権利書）または　Warranty Deed(保障権利書）と表記されたものです。通常そのDeedには、付属文書（Exhibit-A)が添付されており、主に物件の詳細条件が記載され ております。


どのページを見ればよいのか？

最初の表紙１枚とExhibit-Aの最初のページ１枚、計２枚に最重要の情報が載っています。DEED自体は１０枚以下の書類でExhibit-Aは5,6ページ目くらいから始まります。

それでは、最初の表紙１枚について見て行きましょう。

タイムシェアの権利譲渡書類最初のページ

（１）登記済であるかどうかをチェックしよう。

登記済み権利書であるかどうかは、上部ののスペースに、登記された書類番号(例：doc2011-178769)と登記された日時（例：JAN 06,20120 8:01 AM)と言う記載があり、そのしたに、登記官の署名のコピーがあります。これがあれば、この権利書が登記済みであることがはっきりします。

ただし、お手元にどどく登記前の権利書には、この部分がまだブランクとなっております。上記はあくまでも登記された権利書を確認していただく時の目安です。

（２）登記されている場所とは？

ハワイのタイムシェア物件は、原則として、Land Court(土地裁判所）とRegular System(登記所）の両方に登記されることになっておりますので、両方の名前が一番頭に記載されております。


（３）州により表記が異なります。

INTERVAL CONVEYANCE DEED　（分割譲渡権利書）
ハワイのタイムシェア物件は通常上記のように表記されます。その下にリゾート名が（　　　）で表記されます。

WARRANTY DEED （保障権利書）
米国本土の物件（ラスベガスやオーランドの物件）にはこのように表記されます。その下にリゾート名が（　　　）で表記されます。


（４）買主様、売主様の情報です。

GRANTOR（譲渡者）：売主のことです。
GRANTEE（譲受者）：買主のことです。

・名前の確認はパスポートの表記と一致しているか
権利書には、元のオーナーである売主の名前を住所と、購入された買主の名前が記載されております。
注意すべき点は、購入する場合、名前がパスポート表記の名前と正しく記載されているかどうかを確認する必要があります。

まだリゾートによっては、姓と名の間にミドルネームを記載する必要がでてきます。日本人は、原則ミドルネームがありません。 この場合には、ミドルネームとしてNMNと記載して、サインもそのようにNMNとサインします。NMNの意味はNo　Middle Name（ミドルネーム無し）の頭文字をとったものです。

住所は将来変更される場合もありますので、現住所の記載に間違いがないかどうかだけ確認してください。将来住所が変わったからといって、いちいち住所の変更届けを登記所にする必要はありません。

ただし、登記されている方の名義が変更になった場合には（たとえば、お子さんが結婚されて姓が変更になった場合）、その時点で名義変更手続きをされるをおすすめします。名義変更手続きは弊社でも取り扱いできますが、費用が別途発生いたします。


（５）TAX MAP KEYとは？　州政府が物件を管理する番号

ここにはたとえば、(1)2-6-009-001と書いてあるとしますと、この物件は土地裁判所（Land Court)と登記所（Bureau of Conveyance)に、この番号で登記されており、物件を特定できます。この番号は、課税の際の確認番号となり略称でTMKといいます。


（６）ICN番号とは？　リゾートが物件を管理する番号

これはInterval Conveyance Numberの略で、登記されている物件の情報をしめしています。たとえば、55-0508-25とあれば、これはヒルトングランドバケーションクラブのラグーンタワー（５５）の物件の部屋番号（５０８）の２５週で登記されていることを意味します。ただしこれはあくまで登記上の記録であり、固定週を意味しておりません。５２週以上は登記できないことをこれで明記しているわけです。これが固定週であるか、浮動週であるかの判別は、この後の付属文書（Exhibit-A)の中にある記載を確認する必要があります。





付属文書　(EXHIBIT-A)　を理解してみましょう。
権利書には通常、付属文書(Exhibit-A)が添付されます。物件の詳細情報が記載されています。それではチェックポイントをひとつひとつ見みていきましょう。

タイムシェアのdeedのExhibit-Aの最初のページ


（HGVCの場合）

まず第一に出てくるのが、区分所有の％です。この％が正しいかどうかについては、すでに、Title CompanyがTitle Searchの段階で確認してくれておりますので、まず間違いはないと考えていただいて結構です。

Fee simple ownership interestという表現が次にでてきます。これは土地付き物件（Fee simple)であることを意味します。借地権付き物件の場合には、Leasehold ownership interestという表現になります。ハワイの物件は基本的には、ほとんどの物件は土地付き物件となっております。

次にInterval Control No.とリゾートの名称と登記されているDocument No.が記載されております。たとえば、Intverval Control No. 59-2409-34とあれば、これはグランドワイキキアンの物件であることを証明しています。部屋番号2409号室、34週という記載 ですが、通常これは、登記のうえでの便宜上の記載で、固定週を意味しておりません。

次に、物件の詳細情報が記載されています。たとえば、TYPE V 1BEDROOM on a floating use basis every YEAR, during the PLATINUM Home Resort Season　とありますと、この物件は、Type V(プレミア）で、1ベッドルームの浮動週の毎年利用でプラチナ シーズンであることを意味しています。もし固定週のばあいには、表現が、on fixed Week 32 use basisなどの表記となります。

最後に元の所有形態がどうなっていたかの表記がされています。通常は、ヒルトングランドバケーションクラブが元の所有者で、その物件を売主の何某に何年何月何日に譲渡して、ドキュメント番号はｘｘｘｘｘｘｘであることが記載されています。　すなわち、買主のあなたは、その方（現在の所有者）からこの物件を購入することになることを確認していただくこととなります。

（マリオットコオリナの場合）
基本的には同じですが、オーシャンビュー（マカイ）、マウンテンビュー（マウカ）というハワイ語での表記で記載されています。

（ウェスティンの場合）
部屋番号からカテゴリーを確認することができますので、Exhibit-Aの情報は重要です。



チェックポインとは？

このExhibit Aの文書は、物件の詳細情報が記載されております。その中で特に注意していただきたい箇所は、物件が購入した物件と間違いがないかの確認です。通常は、ベッドルームの数（1ベッドルームか2ベッドルームか）、毎年利用（Annual Use)または奇数年（Odd Year)利用か、偶数年（Even Year)利用となっているか、売り主は間違いなく現在の所有者であるかどうか、などをきちんとこのExhibit "A"によって確認していただくことです。
ご案内したのは日本の方の所有が多い3つのリゾートだけでございます。タイムシェアの売買ではこの点が重要で、各リゾートごとに独自の表記、ルールがあり、正確に把握し確認する必要がございます。弊社は過去10年近く1100件以上の取引経験を有しておりますので、様々なリゾートの手続き上の重要な確認ポイントを経験を通じて熟知しておりますのでご安心してご利用願います。
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