不動産会社と上手に付き合う方法



2010年7月10日

noda shozo過去3回「タイムシェアリゾートで暮らすハワイ」の本を出版させていただいた後では、ご利用方法などについてご質問を頂戴しておりましたが、最近のお問い合わせで特に多いのが「不動産会社の信用調査方法」「ハワイの不動産免許」についてのご質問で、数多く頂戴しております。

以前、このホームページのリセール[Q and A]でも、少しご案内申し上げておりましたが、新たによく頂戴するご質問の回答や、不動産免許システムの説明、免許の確認方法などをハワイ州政府のホームページを利用した誰でも簡単に調べることができる調査方法をご案内もうしあげます。

その前に、今、米国タイムシェアリセール業界でのHOTな話題からご案内申し上げます。今回のテーマに関する内容でもあり、お取引の際にはご注意いただきたい点をご案内申し上げます。



「売り出しますので、まずお金をください」 売出時にはご注意ください。

最近アメリカのタイムシェア再販市場でいくつかの問題がでております。

realtor特にフロリダ州で多い事例ですが、タイムシェアの再販に関して、「あなたのタイムシェア物件を買いたいお客をお探ししますので、当社に物件をお預けください。ただし最初に$***の契約金をお支払いください。」といった内容で宣伝・広告媒体をつかって、不動産ライセンスを保有していない会社が何社か、
お客様から訴訟をおこされております。

契約金だけとられたが、約束の90日〜120日たっても、売り手の紹介はなく、支払った契約金は戻ってこない、といった訴状です。フロリダ州の最高検事総長も、この件につき精力的に調査に乗り出しました。

このようなことは、近い将来日本の市場にも飛び火しないという保障はありません。 したがいまして、米国のタイムシェア物件を購入または、売却しようとされるお客様は、必ずその会社が、正式なブローカーライセンスを保有しているかどうかを確かめることが大切です。

また、売却契約に関して、売買契約が締結される前に、契約金を支払うように要求する会社については、注意が必要です。もし期限内に売買契約が成立しなかった場合には、支払った契約金が払い戻される保障があるかどうかを、必ず事前に確認いたしましょう。

当社は、売却契約を売主と締結する場合には、このような、事前の契約金(又は手付金)をいただくようにはしておりません。現に3,4年売出しさせていただいてる物件もあり、広告費も弊社で負担しております。あくまでも、売却相手が見つかり売買契約が締結されるまでは、一切費用は頂戴しておりませんので、安心して、売却契約(Listing Agreement)をしていただくことができます。



日本でハワイ州のブローカー免許保持者が売買契約をし、金銭の授受を行うと違法となります

ハワイ州の不動産法では、Principal Brokerがハワイ州を一ヶ月以上離れる場合にはReal Estate Commission(不動産委員会)に、代わりのBrokerをBroker-in-charge(ブローカー代行者)として、指名して届出をださねばならないとなっております。

外国で営業促進活動をすることは禁止されておりませんし、ハワイ州の不動産免許保有者を日本勤務として届出をだして勤務させることは許されております。しかし、会社の責任者であるBroker-in-chargeがハワイの会社を留守し続けることはできないということですので、顧客の立場としてはハワイに在住するBroker免許保持者を確認する必要があります。



他人のブローカー免許で営業したり、個人が無免許で売買を繰り返す行為は違法です。

日本の宅建業法でも同じですが、他人のブローカー免許を借りて営業した場合は、刑罰度の高い違法行為となります。この場合の見分け方は意外と簡単です。ホームページを運営している団体名(屋号など)と免許保持者の会社や個人が異なる場合が多く、安易に見分けが付くケースが多いです。いわゆる「名貸し」ですので免許保持者の責任者は表に出てこない場合が多いです。

また、個人がタイムシェアを売買を反復して繰り返す行為も免許が必要となります。この場合の見分け方も簡単です。免許が無いので、ホームページに、不動産ライセンスの内容の記載がありません。



ハワイの不動産免許は2種類あります。その違いとは?

まず不動産免許(Real Estate License)には2種類があります。一つは、不動産営業免許(Real Estate Sales License)で、もう一つは、不動産ブローカー免許(Real Estate Broker License)です。この2つの免許の違いについて、お話しいたしましょう。



不動産営業免許(Real Estate Sales License)について

salesこのライセンスは、ハワイ州不動産委員会が実施する不動産営業免許試験に合格した、米国市民権保有者、または米国永住権保有者に与えられるライセンスです。

ライセンス取得のためには、大学で不動産の授業を受講するか、不動産学校に集中的に最低でも2ヶ月ほど通って、集中的に勉強をして、学校の試験に合格した者のみが、ハワイ州の営業免許試験を受験できます。なかなか、むずかしく、一回で合格できる方は少ないのです。

合格しますと、その合格証書をつけて、ハワイ州の不動産委員会(Real Estate Commission)に、営業免許の取得申請をいたします。営業免許番号(例:
RS-12345)が発行されて、営業免許証書とポケットサイズの免許証が本人に送られてきます。

不動産営業について
ただし、この営業免許証取得者は、直ちに不動産売買業務に従事できるわけではありません。業務に従事するためには、不動産事業ライセンス(Real Estate Broker License)を保有している、不動産ブローカー(Principal Broker)が経営する不動産会社または、事業主のものに所属して、そのブローカーの監督、指示のもとに、営業活動が出来るわけです。Real Estate Sales Personは、不動産営業免許証書のコピーはPrincipal Brokerの事務所に預けて、ポケットライセンスは、常に携帯することが義務づけられています。



不動産事業免許(Real Estate Broker License)について

broker不動産事業免許を取得するには、ハワイ州不動産委員会が実施するReal Estate Broker License 試験にパスしないとなりませんが、受験資格は次のとおりです。

Real Estate Sales License (
RS)を取得したあと、不動産の業務に従事するもので、過去5年間の内、継続して丸3年間、不動産営業の実務経験を持つ者であること。

つまり、不動産ブローカーに所属して、不動産営業に携わり、過去5年間にさかのぼって丸3年間の継続した実務経験がないと、受験資格がありません。

受験資格のある不動産営業免許取得者は、さらに、不動産学校に数ヶ月通って
勉強して、学校の試験にパスしたのちに、ハワイ州のReal Estate Broker Licenseの試験にパスしたもののみが、不動産事業免許(Broker License)を取得できます。



不動産事業免許(Real Estate Broker License)の種類について

不動産事業免許(Broker License)の種類
Broker Licenseには、2種類あります。一つはBroker個人に発行されるライセンスです。もう一つが、Brokerage Licenseといって、個人でも会社でもかまいませんが、独立した事業法人に発行される事業免許です。ともにRBで始まる番号ですが、2つのライセンスは番号が異なります。

このBrokerage Licenseを保有したもののみが、自分で独立して不動産事業を営むことが出来ます。ただし、不動産事業を営むためには、独立した事務所を開設しなければなりません。 自宅でもできますが、一戸建て自宅でない場合には、商業用ビルとして許可されているビルの中に事務所を設置することが法律上義務づけられています。

Brokerage Licenseを保有しないBrokerは、Broker Licenseを保有していても、自分の名義で不動産事業を展開することはできません。「私はBroker Licenseをもっている経験豊かな不動産業者です」と自己宣伝されるブローカーの方でも、このBrokerage Licenseをもっていない方は、やはり、Brokerage Licenseを掲げている会社または、事業主のところに所属しないと、不動産業務をすることは許されておりません。ただし、RBのライセンス保有者とRSライセンス保有者では、業務経験、知識が異なっておりまので、RBライセンス保有者は、通常雇用主から優遇条件を与えられているのは当然のことです。

ちなみに、私(野田省三)は、Broker License No.はRB-19230で、Brokerage License NoはRB-19268という番号を保有しております。つまり、Real Estate Broker License 保有者であると同時に、Resort Hawaii Realtyという不動産会社 (Real Estate Brokerage Firm)のライセンス保有者でもあるので、Resort Hawaii Realtyの商号で、不動産事業をすることが許されている業者ということになります。
不動産業者と上手に付き合う方法について



不動産会社を調べる方法


1.不動産免許証の提示をもとめましょう
まず、不動産業者に面談することになった場合には、その方の名刺だけをいただくのではなくて、その方の不動産ライセンスの提示ももとめてください。法律的には、不動産業者は、顧客と面談する場合には、必ずライセンスを明示することが義務付けられていますので、「すみませんが、ライセンスをお見せいただけますか」とだずねても、失礼にはあたりません。もしライセンスの提示がない場合には、ちょっと疑うぐらいの注意をしたほうが賢いとおもいます。

顧客と面談または、物件の紹介、見学に連れて行く者は、必ず不動産免許保有者(
RB-またはRS-) でなければなりません。だまされないためにも、かならず、不動産免許証の提示をもとめるのが、不動産業者との賢い付き合いの方法です。

2.看板にいつわりあり
時には、Brokerage Licenseがないのに、不動産業者として、印刷物やウェブサイトに名前を出している業者もありますので、よく注意してください。その事業者がBrokerage Licenseを保有しているかどうかは、簡単にハワイ州政府機関のWebsiteで確認できます。(クリック。ハワイ州政府のWEB) 


2番目の、Search by Business Name or Individualのブランクに、Resort Hawaii Realty と入力してみてください。以下のようなブローカー免許番号(RB-19268)が表示されます。



これで安心・・・いや、免許は活動中(ACTIVE)なのか?有効期限は切れていないか? Detailをクリックするとご覧いただけます。



以下のように活動中(ACTIVE)であり、免許の有効期限も切れていない。ステータスも問題ない。
ここまでお調べいただければ問題ないかと思います。是非ご活用ください。
Resort Hawaii Realty LLC RB-19268 と、ライセンス番号、住所が出てきている欄の一番右側をクリックしていただくと、免許の期間が2010/12/31まで有効な不動産業者であることを表わされています。


ちなみに、不動産免許の有効期間は、丸2年間です。不動産免許取得者は、2年に一度、必ず偶数年の11月までに、必須科目(不動産のハワイ州の法律)4時間と、選択科目6時間の、不動産業務に関する継続教育を履修することが義務付けられており、この10時間の教育を履修しないと、免許が更新できないシステムになっております。今年末がその更新の時期となっています。

そういう意味でも、不動産事業免許は、米国では、医者、弁護士、会計士などの免許とならんで、大変重要な免許と一つとなっているわけです。

以上ハワイ州の不動産免許についての概略でしたが、もっと聞きたい点がありましたら、遠慮なく私(野田)まで、お問い合わせください。
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