2010年6月22日 |
日本ではタイムシェアを普及するために消費者が安心して権利を取得出来る枠組みがまだ未整備な状況です。そのため、2010年5月に国土交通省から、調査委託された社団法人日本リゾートクラブ協会の報告書が発刊されました。 この報告書は、国土交通省の平成21年度長期優良住宅等推進環境整備事業(タイムシェア型住宅供給の促進)の調査報告書であり、この事業に参加した3社のうちのひとつです。それぞれの報告書とそれに対する結果評価の概要は、国土交通省のホームページ(クリック)にて公表されています。 アメリカのタイムシェアに関する現状調査と日本における法的整備の提案がなされております。報告書はアメリカのタイムシェアに関する現地調査報告も含まれ、タイムシェア業界事情をお知りいただくのに最適です。これからハワイのタイムシェアを購入・売却を考えていらっしゃる方にはぜひご一読いただければと思います。 弊社も長年の経験で得た知識を元に、タイムシェアの再販業者の代表としてインタビューされ報告書のなかで引用頂いております。 |
平成22 年2 月22 日 社団法人日本リゾートクラブ協会 会 長 伊 藤 與 朗 |
(報告書序文より引用) |
タイムシェアは米国で1990 年代に入って急速に成長した。その要因として、アメリカリゾート開発協会(ARDA)によるタイムシェア事業の諸制度の整備、不動産証券化により調達された資金のタイムシェア業界への流入、大手ホテルチェーンの参入、国際化と情報化に対応した交換会社の成長などが指摘されるが、やはりなんといっても米国市民の旺盛な余暇需要が、タイムシェアの供給を必要としたことにある。 そして、その余暇需要はタイムシェアに柔軟かつ多様なサービスを要求したため、タイムシェアもフレキシブルなバケーションをタイムシェア所有者に供給出来るよう、さまざまな工夫を試みた。これによりタイムシェア事業はますます発展したのである。 しかしながら、このタイムシェア事業は日本では発展しなかった。週単位の休暇を1 年前に確定させ予約するという習慣は日本にはほとんどなかった。日本で発展した会員制リゾートクラブは、滞在(STAY)というよりは、観光(TOUR)の延長にある余暇需要に対応したものであった。 ハワイは米国タイムシェアの典型的サイトのひとつであるが、そのハワイのある著名バケーションクラブのタイムシェアは主要市場を日本に設定していることが判明した。つまり日本にも滞在(STAY)の需要が増加していることを示していたことになる。 今回のこの平成21 年度長期優良住宅等推進環境整備事業(タイムシェア型住宅供給の促進)の調査を契機に、社団法人日本リゾートクラブ協会としても、消費者が安心して権利を取得出来るタイムシェア型住宅供給に多大な関心を払っていく所存である。本報告書がタイムシェアの更なる普及・発展にお役に立てば幸いである。 |
長期優良住宅等推進環境整備事業(タイムシェア型住宅供給の促進)調査報告書 |
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「T」この調査の背景と目的(P1-P6) 1:マルチハビテーションのひとつの方法としてのタイムシェア型住宅 2:タイムシェア型住宅報告書の背景にある日本型リゾートへの不信とそれに対する疑義 3:US 型タイムシェア型住宅への予備的考察 a)不動産部分とb)バケーションクラブで構成 ... 3 4:「消費者が安心して取得出来るタイムシェア型住宅の供給 に関するガイドライン」に対するこの調査の見解 5:マルチハビテーションに対する「旺盛な」潜在需要の意味 6:この調査における目的と作業項目 「U」日本の会員制リゾートクラブ事業とタイムシェア事業の現状(P9-P14) 1:日本の会員制リゾートクラブ商品の特徴 2:タイムシェアの取引 3:消費者のリスク 3−1:消費者サイドのリスクの問題 3−2:これまでの社団法人日本リゾートクラブ協会における取組内容 3−3:タイムシェア取得者への負担 4:信託方式を採用したサンダンス・リゾートクラブの事業スキーム 4−1:商品の特徴 4−2:ヒアリング(1) 創業者の清水勝夫氏 4−3:ヒアリング(2) 現社長の山形俊樹氏 「V」海外におけるタイムシェア事業の現状 1:ハワイのバケーションオーナーシップ(P15-P18) 1−1:ハワイのタイムシェアの例(1) Hilton Grand Vacation Club Kalia & Lagoon Tower 1−2:ハワイのタイムシェアの例(2) Wyndham vr Waikiki Beach Walk 2:ハワイにおけるタイムシェアの利用と取 2−1:タイムシェア@ハワイ州の売買手続 2−2:交換とポイント 2−3:タイムシェアのレンタル 2−4:リゾートハワイ社長・樫原明宏氏 2−5:リゾートハワイ不動産社長・野田省三氏 2−6:ワイキキの不動産業者 X 氏 2−7:この段階での調査者の見解 3:交換会社からみたタイムシェア(P27-P32) 3−1:RCIJ の概況 3−2:US 型タイムシェア型住宅とJP 型会員制リゾートクラブの比較 3−3:US 型タイムシェア型住宅との日本市場での交換の問題点 3−3−1:宿泊からみたタイムシェアの日本と米国の差 3−3−2:タイムシェア評価に見る日本と米国の差 3−4:交換から見た消費者が安心して取得出来るタイムシェア 「W」タイムシェア型住宅供給に向けての検討事項 1:資産価値計算の実施(P33-P37) 1−1:資産価値計算の目的 1−2:クラブ資産に対する会員の支持度による評価 1−3:オープン後の売上推移と指数関数 1−4:Monte Carlo simulation を援用した試算 2:管理組合と運営会社との安定的関係(P41-P45) 2−1:集合住宅の延長によるタイムシェア管理組合の難点と法整備の必要性 2−2:管理組合と運営会社の関係安定化と人的交流の必要性 C ホテルD 総支配人 2−3:あるJP 型会員制リゾートクラブQ の管理組合 2−4:タイムシェア成立の前提条件=管理組合の自治及び運営会社との安定的関係 2−5:ポイント制との関係 3:旅館・リゾートマンション等の転換可能性(P46-P50) 3−1:劣後観光資産のタイムシェア転換可能性 3−2:旅館の場合 総論 3−2−1:旅館の倒産 3−2−2:倒産の原因と再生・更正の方法 3−2−3:旅館のタイムシェア化 3−3:リゾートマンションのタイムシェア転換(conversion) 越後湯沢の場合 4:一般社団法人方式の模索(P51-P56) 4−1:社団社員の権利義務と選択的信託方式の導入 4―2:モデル契約書に向けた検討事項 4−3:モデル契約書の作成とそれに対するコメント 4−4:理事会及び社員総会で予想される特異な議題 4−5:開発会社の「社員募集権限」の未販売部分についての取り扱い 4−6:社員資格の譲渡に関する行政上の規制について 4−7:過剰販売などからの保護に関する産業政策的な観点からの検討 4−8:ポイントの機能とタイムシェアのflexibility 「X」モデル契約書に盛り込む事項の整理(P58-P72) 1:これまでの作業とこの章の課題 2:モデル契約書に盛り込む事項とタイムシェア型住宅供給のガイドライン実現の可能性 3:一般社団法人の定款によって実現出来るタイムシェア型住宅供給のガイドライン 3−1:倒産隔離 3−1−1:倒産隔離の意味 3−1−2:信託方式のメリットの確保 3−1−3:モデル契約書での扱い 3−2:円滑売却 3−2−1:円滑売却の意味と要請 3−2−2:利用の柔軟性・複雑な価格体系の採用・リセール・レンタルなどの問題と対策 3−2−3:モデル契約書での扱い 3−3:安定運営 3−3−1:安定運営の意味と要請 3−3−2:利用の柔軟性と安定運営などの問題と対策 3−3−3:モデル契約書での扱い 3−4:安全取引 3−4−1:安全取引の意味と要請 3−4−2:「開発会社と一般社団法人の取引に関する財務会計上の処理」「信託方式メリット の一般社団法人方式における確保」と安全取引との関係 3−4−3:モデル契約書での扱い 「Y」成果 一般社団方式によるモデル契約書 案(P74-P85) 1:仮称 一般社団法人TMSG 定款 2:TMSG クラブ会則 「Z」ヒアリング記録等(P88-P91) 「U」わが国の会員制リゾートクラブ事業とタイムシェア事業の現状 U−4−1:潟Tンダンス・リゾート ヒアリング(1) 創業者の清水勝夫氏 U−4−2:潟Tンダンス・リゾート ヒアリング(2) 現社長の山形俊樹氏 「V」海外におけるタイムシェア事業の現状(P92-P102) V−2−1:バケーションクラブX のマーケティング担当者 V−2−2:バケーションクラブP のセールス担当者 V−2−3:コンドミニアム(ホテル)の投資を勧める街の不動産会社 V−2−4:ある有力タイムシェアと対抗する有力タイムシェアを支持する街の不動産業者 V−2−5:潟潟]ートハワイ・潟^イムシェアハワイ 社長・樫原明宏氏 V−2−6:潟潟]ートハワイ不動産・潟^イムシェアハワイ 社長・野田省三氏 V−2−7:ワイキキの不動産業者 X 氏 V−2−8:バケーションクラブX のマーケティング担当者 V−2−9:バケーションクラブP のセールス担当者 V−2−10:コンドミニアム(ホテル)の投資を勧める街の不動産会社 V−2−11:ある有力タイムシェアと対抗する有力タイムシェアを支持する街の不動産業者 「W」管理組合と運営会社との安定的関係(P103-P118) W−2−1:集合住宅の延長によるタイムシェア管理組合の難点と法整備の必要 W−2−2:管理組合と運営会社の関係安定化と人的交流の必要性 W−3−1:越後湯沢でのヒアリング(1) 鰍ミまわり 新保社長 W−3−2:越後湯沢でのヒアリング(2) ひまわり湯沢店 樋口課長 W−3−3:T(TOUR)型とS(STAY)型 紀鉄エステート 取締役・中川源行氏の見解 W−4−1:一般社団法人と開発会社の取引関係(1) 公認会計士佐藤茂氏のコメン W−4−2:一般社団法人と開発会社の取引関係(2) 弁護士藤井一男氏のコメント 「Y」成果 一般社団方式によるモデル契約書 案 Y−1−1:クラブ会則の比較 「[」あとがき(P119-P127) タイムシェア調査委員会構成員名簿 |
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